一棟マンションオーナーとは、マンションを一棟まるごと購入または建築して所有し、入居者からの家賃収入を得る人のことです。
入居者募集や物件管理などを行うことで、安定的に家賃収入(インカムゲイン)を得られる可能性がある一方、物件の購入費や維持費が高額になるリスク、管理の手間・コストなどにも注意が必要です。
ワンルームマンション1戸のオーナーと比べて、一棟マンションでは複数の部屋から家賃収入を得ることが可能です。満室が続いた場合には、多額の家賃収入が見込まれます。
ワンルームマンションなど1戸だけの所有の場合、空室になると家賃収入がゼロになってしまいます。
一棟マンションの場合は、複数部屋が入居中であれば、空室が一部出ても収入全体がゼロに近づきにくいので、リスク分散になる点は大きな魅力です。
区分所有(マンションの一室だけ所有)だと、共用部分の修繕や管理ルールは他の所有者と協議しなければなりません。
一棟所有であれば、修繕やリフォームの時期・内容、家賃設定などをオーナーが自由に決定できます。
購入した一棟マンションの立地が良かったり、適切に修繕・管理して資産価値を維持できたりすると、売却時にキャピタルゲイン(売却益)を得るチャンスもあります。
家賃収入を得ながら物件価値が上がれば、売却益をプラスして大きな収益を期待できるでしょう。
マンション一棟の価格は数千万円~数億円と非常に高額です。ほとんどの方は不動産投資ローンを利用しますが、頭金(物件価格の20~30%)や購入時諸費用も高額になる点に注意が必要です。
一棟マンションでは、共用部の清掃やエレベーターのメンテナンス、定期的な大規模修繕など維持管理にかかるコストや手間が大きくなります。
管理会社に委託すればある程度負担は軽減できますが、毎月の管理委託料がかかります。
地震や台風、大雨などの災害リスクが高まっている近年は、火災保険や地震保険に加入しておくことが重要です。
建物に大きな被害が出た場合、修繕費用が多額となり、ローン返済が困難になる恐れがあります。
アパート・マンション経営に付きものなのが、空室リスクです。複数の入居者が退去すると大きく収益が減る場合もあります。
入居者募集のための広告費やリフォーム費用などをしっかり把握しておかなければ、キャッシュフローが悪化するリスクも出てきます。
メインとなる収入源は、入居者から毎月支払われる家賃です。
満室状態を維持できるほど、安定したキャッシュフローを得られます。ただし、家賃は経年や築年数の老朽化、周辺環境の変化によって下落していく傾向があるため、賃料設定やリフォーム・設備投資などの対策が必要です。
家賃収入以外にも以下のような収入を得られる場合があります。
ただし、これらは物件や立地によっても変わるため、下調べが大切です。
オーナーの主な業務は以下のとおりです。
管理会社に委託すると、これらの業務を代行してもらえます。管理委託料は家賃収入の3~5%程度が一般的です。
一棟マンションオーナーが「儲かるかどうか」は、物件の収益性やローン返済計画、空室率、修繕費などさまざまな要素で決まります。
大切なのは、購入前の収支シミュレーションです。
表面利回りだけでなく、実質利回りで現実的な判断を行いましょう。
投資用ローンを利用する際は、自己資金の準備や信用力(年収・勤務先など)が重要です。
一棟マンションオーナーになれば、長期的に安定した家賃収入を期待できる一方、大きな初期費用や管理コスト、自然災害・空室リスクなどへの備えが不可欠です。
メリット:大きな家賃収入・リスク分散・自由な管理など
デメリット:高額な初期費用・空室リスク・維持管理の手間など
儲かるかどうかは、投資物件の選定や管理運営次第で大きく変わります。
まずは専門家や不動産会社に相談してから、ローン審査やシミュレーションを進めるのが一般的です。
一棟マンションオーナーとして安定した経営をしたい方は、信頼できるパートナー探しや、じっくりと立地・物件を見極めるための知識蓄えを進めましょう。じっくり準備をすればこそ、長期的にメリットを得やすい不動産投資の魅力を活かせるはずです。
一棟マンションオーナーになるなら付加価値の高い物件を
一棟マンションオーナーを目指すなら、ただ部屋数や立地で選ぶのではなく、「付加価値の高い物件」であることが重要です。
入居者に選ばれるためには、周辺物件との差別化がカギ。その中でも特におすすめなのが「防音性能に優れたマンション」です。音のトラブルは賃貸トラブルの上位に挙げられるほど深刻ですが、防音マンションであればそのリスクを抑えられ、長期入居にもつながります。静かに暮らしたい層や在宅ワークをする人にとっても魅力的で、空室対策にも効果的です。